車の売却は複数業者に依頼するのが鉄則
愛車を売却する際、できるだけ手間を掛けずに、しかも、できるだけ高く売りたいと考える人は多いと思います。
「厳選した1社に駆け引きなしで最高値を出してもらって、パッパッと手際よく売却を完了したい。だから一番高く売れる1社を教えてくれればいい」という人もいるでしょう。
しかし、「手間を掛けず」に「高く売る」というのは、現実には困難と言わざるをえません。
1社だけで決める人は「カモ」
業者が買い取った自動車は、ほとんどの場合は中古車オークション(卸売市場)に出品します。業者は過去の落札データを参考に、「この車はオークションではこれぐらいの金額がつくだろう。だから、ウチの取り分をこれだけ差し引き、客は値上げ交渉もしてくるだろうから、あらかじめこれぐらい引いておこう」といった皮算用をし、査定額として目の前の客に提示するわけです。
つまり、あらかじめ、自社のマージン(儲けや経費分)を見込んでいるだけでなく、値上げ交渉に持ち込まれることを織り込んで、低めの価格設定をしているわけです。
そういった価格設定なのに、客が価格交渉を粘り強くせずに、業者の言い値のまま売ったり、わずかばかりの値上げで売却を決めてしまうのは、業者から見れば、「多額の利益をもたらしてくれる、ありがたいお客様」であり、口汚い言い方をすれば「カモ」なのです。
さらに付け加えるならば、業者は日頃から厳しい値上げ交渉に晒されていますし、同業他社との間で客の奪い合いを繰り広げています。他社との競争に勝ち、客から自動車を買い取るには、他社よりも有利な条件、つまり高値を提示する必要があります。
そのため、多くの業者は慢性的に薄利の状態となっています。そういった状況のところに、価格交渉に淡泊なユーザーが来れば、まさに「カモネギ」なのです。
複数の買取業者で査定を受けよう
カモにならない方法は、ひとつしかありません。それは、「複数の買取業者から査定を受ける」ということです。
但し、単に複数の買取業者から査定を受けるだけでなく、各業者から出た査定額をもとに、高値を付けた買取価格を他社にチラつかせることで、さらなる高値を引き出すといった駆け引きが必要です。
業者は、他社の動向次第で値段を上げてくる傾向があります。手間は掛かりますが、非常に効果的な方法ですので、実践することをおすすめします。