車買取業者の売却価格は「神のみぞ知る領域」
車買取業者の多くは、ユーザーから買い取った中古車のほとんどを、中古車オークション(卸売市場)に出品し転売することで収益を得ています。この方法は、とても手軽に売却できるため、中古車業界におけるスタンダードなビジネスモデルとなっています。しかし、確実に収益を得られる場合ばかりではありません。うまく収益を上げることができずに苦労するケースもあるのです。
赤字での投げ売り
「これは安い!」と思って満を持して仕入れたものの、さっぱり売れずに長期在庫化し、揚句に処分特価で投げ売りするというケースは、どんな業種でも起こりうることですし、実際に日常的に起きています。実は、車買取業界でも同様のことが起きています。
ユーザーから仕入れた中古車をオークションに出品しても、経費や利益を考慮していたのではうまく売れず、仕入れ値よりも安い値段まで値下げし、赤字を出して投げ売りする場合もあります。
いくらで売れるかは神のみぞ知る領域
これは、卸売市場での取引価格(いわゆる相場)が常に変動していることが原因です。取引価格は、買い手と売り手による需要と供給のバランスによって決まります。
特に、その時々の景気や政治情勢、季節要因、そして中古車の場合は、流通台数の多い少ないによって、取引台数や取引価格が大きな影響を受けます。野菜が凶作になると値段が上がり、大豊作になると値段が暴落するのと原理的には同じことです。
取引価格が常に変動しているため、車買取業者が買い取った中古車の売却価格も常に変動することになります。つまり、「いくらで売れるかは神のみぞ知る領域」なのです。
損失をこうむるリスクとは常に隣り合わせ
そのため、たとえば「ユーザーから買い取った時点では、100万円で売れると予想し80万円で仕入れた中古車が、実際には70万円でないと売れなかった」ということも起こります。
但し、株取引などと同様、過去の取引実績をもとに、価格変動の傾向や分析をおこない、売却価格を予想するために役立つプロ用のツールも業者には普及しています。
このように車買取業者は、損失をこうむるリスクと常に隣り合わせで、買取ビジネスに取り組んでいるのです