車買取業者のビジネスモデル
車買取業者は、どの業者も「高価買取」という看板を掲げています。一方で、店頭に売り物となる中古車を並べていない業者も多く見受けられます。そのため、「いったい、どうやって収益を得ているのかな?」と疑問に感じる人もいらっしゃるでしょう。そこで、今回は、車買取業者のビジネスモデルについて簡単に解説してみることにします。
仕入れと販売は表裏一体
自動車に限らず、物販を手掛けるショップの多くは、どこかから商品を仕入れ、経費や利益を上乗せしてユーザーに売っています。その「どこか」とは、卸問屋だったり、製造元からの直接買い付けだったりと実に様々です。また、自社で生産から販売まで手掛けているメーカー直売企業の場合でも、必ず原材料はどこかから仕入れています。つまり、仕入れと販売は、商売をする上では表裏一体なのです。これは、車買取業者も同じことです。車買取業者は、ユーザーから中古車を仕入れ、経費や利益を上乗せして、「あるところ」に売って収益を得ています。
中古車オークションでの売却が主流
その「あるところ」とは、「中古車オークション」です。中古車オークションとは、中古車専門の卸売市場のことで、全国で100か所程度が運営されています。野菜や果物、鮮魚や花などの卸売市場と同様、売り手の業者と買い手の業者が集い、価格を競い合う「競り(せり)」によって落札者や落札価格を決める、プロ専用の商いの場です。車買取業者は、買い取った中古車の大半を中古車オークションで売却していますが、自社で中古車輸出部門を持ち、海外に輸出している業者(アップルなど)もありますし、中古車オークションで売る前に、小売用として自社で一定期間キープしておき、ユーザーから購入希望があれば小売販売するという手法を併用している業者(ガリバーなど)も少なからず見受けられます。
確実に収益を得られるとは限らない
これは、どの業種でも言えることですが、ビジネスモデルが確立されているからといって、それに従えば誰でも確実に収益を得られるというわけではありません。車買取業者は、ユーザーから仕入れた中古車の有力な転売先として、中古車オークションを積極的に活用していますが、必ず利益が得られるとは限りません。そのあたりの事情については、別のコラムで詳しく解説いたします。