買取と下取の違い
自動車を売却する際に、よく利用されるのが「買取」と「下取」です。「自動車を業者に売る」という行為自体は同じようにも見えますが、両者には違いがあります。
引き取る際に「販売」がセットとなるか否か
買取と下取。この2つは、業者の立場から見て、自動車をユーザーから引き取るという点は同じですが、その際に新たな自動車(この場合の「新たな自動車」とは新車か中古車かは関係ありません)の「販売」がセットとなるか否かという点に違いがあります。
ユーザーは、自動車を売却する場合、売却に伴って別の新たな自動車を購入することが多いものです。その際、業者が新たな自動車を販売するにあたって、これまでユーザーが所有していた自動車を引き取る場合は、その取引は「下取」となります。
一方、ユーザーが新たな自動車を購入する際、購入する業者と売却する業者が別々というケースがあります。この場合、ユーザーから自動車を引き取る業者の立場から見れば、その取引は「買取」となります。
☆下取を利用
〔これまでの所有車:ユーザー⇒業者A〕
〔新たに買う自動車:業者A⇒ユーザー〕
☆買取を利用
〔これまでの所有車:ユーザー⇒業者A〕
〔新たに買う自動車:業者B⇒ユーザー〕
このように、業者Aで全て完結するのか、業者Aと業者Bに別々に依頼するのかという違いがあります。また、ユーザーが自動車の購入をせずに、単に自動車を売却するのみという場合も、業者から見れば、その取引は「買取」に該当するということになります。
下取は手間が少ないというメリットがある
このように、下取では、1つの業者との取引で、購入と売却が同時にできますので、別々の業者と価格交渉や自動車の受け渡しをするよりも、手間が省けるというメリットがあります。
購入と売却が別々の業者ですと、納車と売却のタイミングをうまく合わせる必要があるなど、多少の面倒や気苦労もあります。しかし、下取ではそのような心配は無用ですから、仕事がとにかく忙しいという人や、自宅近辺に買取業者がないという人の場合、とても利用価値があると言えます。
一方、肝心要となる「お金」の面では、必ずしも下取は有利とは言えません。その理由については、別のコラムで解説いたします。